ライターの営業はどうすればいい?

プロが語るライター業

会社勤めのライターであれば、仕事を取ってくる心配はありません。しかしフリーランスであれば、自分で営業をかけないことには、仕事が湧いてくることはありません。しかし多くの編集者は、常に「良いライター」を探しています。そこにうまくマッチングできれば、仕事につなげるのは難事ではありません。では具体的にどうするか。私の経験も交えつつ、いくつか例を挙げてお話ししましょう。

1.メールや電話でひたすら営業する

いちばんベタですが、確実な方法です。編集・制作プロダクションや出版社など、あなたが「ここの仕事をしたい」と思う会社をウェブ上でピックアップし、営業メールを送ります。「ライター求む」などと専用のフォームを用意している会社も多いので、片っ端から送りましょう。ファックスや電話での営業を受け付けているところもあります。私はこの方法で100軒ほどの会社にメールやフォームを送り、そのうち10軒ほどは訪問までこぎつけました。そしてそのうちの4軒から発注をいただき、5年ほど過ぎた今も断続的ながらお付き合いをいただいています。地道ですが、間違いのない方法だと思います。

2.ブログを開設し、まめに更新する

編集者は常に「良いライター」を探しています。彼らの目に触れるようにブログを作り、せっせと記事を上げていくのは、これまた地味ながら役に立つ営業法です。というのも、ブログ記事そのものが自分の制作サンプルであり、作品集にもなるからです。ブログランキングやブログポータルに登録しておけば、せっせと更新を重ねることで順位を上げ、読者が増えるかもしれません。…とここまで書いて、いくつかのランキングサイトをチェックしてみたところ「アフィブログはテキストで稼げ!」的な、なんかギラギラしたブログ記事ばっかでした。なんだかなぁ。私の場合、このルートでつながりをいただいたクライアントは1社だけですが(ほとんど更新もしてなかったので)、やはり5年ほどのお付き合いになりますし、今ではメイン級のボリュームにまで広がっています。

3.知人・友人に声がけしておく

見ず知らずの「自称ライター」に仕事を依頼するのは、クライアントからすれば無謀なギャンブルです。これは相手の立場で考えてみれば、すぐ理解できることでしょう。ですからライターやデザイナー、フォトグラファーなどは、横のつながりで仕事が広がるケースが多いものです。「誰か、いいライターさんいない?」「俺の知り合いで、こういう奴がいるよ」こんな会話が、意外と効くのです。ですからあなたの身近に広告・出版・マスコミなどの関係者がいたら「こういう仕事をしたいので、よろしくお願いします」などと、声がけしておきましょう。私には同業の友人はいないのですが、デザイナーやフォトグラファー経由でお仕事をいただくことがしばしばあります。やはり、人と人とのつながりは、ゆるがせにできません。

4.クラウドソーシングサービスに登録する

仕事を出したいクライアントと、仕事がほしいクリエイター…フリーランスとをマッチングするサービスです。いくつかあるこうした会社のうちの最大手のアソコを、私も仕事を出す側で二度ほど使ったことがあります。その感触でいえば、仕事を振る側も受ける側も玉石混淆だな…というのが正直なところです。ライター側として「手っ取り早く仕事をしたい」というなら、利用価値は大きいでしょう。ただ、見ず知らず同士がほぼメールのやりとりだけで仕事を進めるのですから、ストレスやトラブルの発生率は高まるものと思われます(個人的な感想です)。それと、ギャラは概して安めです。

他にもブログ以上に即効性の高い方法としてSNSでの発信もあります。何らかのネタが注目を集めれば、瞬間風速的な流入量を見込めますから、有用な方法ともいえるでしょう。しかしそれは「棚ぼた」的な要素が強いこと、また不用意な投稿でバズるどころか炎上する危険もはらんでいることは理解しておくべきでしょう。

ただ、これらの方法で営業をかけるにしても、営業先に提示できる「実績」がなければ、どうにもなりません。では最初の実績をどのように作っていくのか? それはまた別記事で考えてみることにします。

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